とっさの来客に「あれ? どっちが上座?」と不安になることはありませんか?
普段、指導に厳しい上司も「じつは、席次は自信がない……」そんな人が少なくないものです。
いつも必要なわけではないけど、必要な時はごまかしが効かないのがビジネスマナー。でもご安心ください。席次のマナーは考え方を一回理解すれば、すぐに覚えることができるんです。
一度身につけば、「お! なかなか、やるな」と職場内での羨望のまなざしを受けること間違いなしの、“オフィスで使える正しい席次の考え方”について、ホスピテリィコンサルタントの筆者がご紹介します。
■事前に部屋の“レイアウト”を確認しておく
出入り口から最も遠い奥の席が最上位の“上座”、出入り口に最も近い席が最下位の下座です。
急な来客でも慌てないよう、オフィスの会議室や応接室のレイアウトを確認しておきましょう。
■“例外”を知っておく
原則は先述にある通りですが、高層ビルで窓から景色が綺麗に見える、窓の外に庭があり風景を楽しめるといった特徴のある部屋の場合には、たとえ上座ではなくてもその景色が十分に見える奥の席を上座として案内するのが“おもてなし”と、ビジネスマナー上はなっています。
「今日は天気が良く景色が綺麗にご覧になれますので、よろしければこちらにお掛けください」など、席次のルールを踏まえた上で案内していることをさりげなく伝えれば、マナーを知らないと誤解を受けることもなく安心です。
■椅子の“格”を知っておく
最近では、パーテーションで区切られた広いミーティングスペースなどで来客対応することも増えていますよね。そのように入り口がなく上座下座が判断にできない場合には、“椅子の格”で上座下座が決まります。
1、ソファーのような長椅子
2、肘掛付きの一人掛け椅子
3、肘掛無しで背もたれありの椅子
4、背もたれ無しの椅子
上記の順番で覚えておくといいでしょう。流行の大きいオットマンタイプは4にあたり、格としては最下位ですが、3のタイプの椅子との比較の場合、来客の手荷物が多いなど状況に合わせて臨機応変に「どちらにおかけになりますか?」など意向を伺ってみるとさらに配慮のある対応ができます。格を知った上でさりげなくお客様の身の回りにも気を配ってみましょう。
以上、“職場の華と呼ばれる人は必ず押さえているオフィスでの正しい席次”についてご紹介しましたが、いかがでしょうか?
レストランの個室のような洋室での食事シーンでも基本的に同じ考え方をしますが、さらにこれにレディーファーストの考え方が追加されます。女性同士は隣にしない、端にしないなどの配慮です。
床の間の和室では、床の間は部屋の奥にありますから床の間に近いところが上座となると覚えておくとよいでしょう。
大事なのは、基本的な席次を知り、余裕を持って準備し、臨機応変に対応できるようお客様への配慮を怠らないことにあります。
マナーという型だけではなく、“こころ”を添えることを心がけたいものですね。